プロヴァンスのラベンダーはこんな土に生えていた
温故知新・・というわけでもないのですが、自分の目で見た事は
どんな文献、参考書より真実であるはず。。。
時が経って、自分の視点が変ったならば、もう一度、振り返って
見てみよう・・・・別の何かが見つかるかも・・・
ということで、数年前の映像を見直しています。
これは、フランスはプロヴァンスの風景。
ラベンダー栽培の中心地、リュベロン山系の小さな村です。
山の稜線は緩やかで、ところどころ石灰岩の白い岩肌が露出しています。
雨が少なく、年間降水量は650mmほど。
土は当然、アルカリ性に傾いてラベンダー栽培に適している・・・
と思っていると、ここに一つの落とし穴があります。
実は、ラベンダーに適したPHは、6.8!!
アルカリ性ではありません。
中性。。。。厳密にいうと、若干酸性です。。。
なんという事もありません。普通の野菜と同じ事です。
いくらプロヴァンスといっても、それほど極端な土ではありません。
麦も作れば、野菜も作る。そしてラベンダーも作る。
まあ、こういう光景を見てしまうと全部ラベンダー畑に
見えてしまうのも仕方ないですが。。。
6月中旬の、やっと花穂の上がってきたところのラベンダー畑。
プロヴァンスのラベンダーは7月~8月が最盛期です。
7月末か8月はじめにラベンダー祭りが開かれて、シーズンが終わります。
用土の酸性アルカリ性が、中性に落ち着いたとはいえ、
やはり、問題はこの小石です。
これこそ、プロヴァンスの猛暑を往なし、乾燥に強い植物だけを択ぶ、
物理的な淘汰の網なのかも知れません。
ここでは、雑草のタイム。
案外細かい石灰岩の砂利。。。
よくよく観察すると、細かく砕かれた石灰岩は、軽いけれど
粘土状のこまかな土にまで砕かれているようです。
強い日照と風化によって、結晶水を失い、崩壊したようです。
プロヴァンスの土は、「蜂蜜色の土」と表現されます。
決して、腐葉土のように腐植の多い黒い土ではありません。
表面は風通しのよい大きな石。その下は目が細かくて少ない降雨を
下層に通しやすい礫。その下には粘土のように少ない水分を
取り込める土。。。
こういう土に、乾燥地に適応して、地表表面には細根が少なく、
水分を取り込む主根は、地中深く降ろす植物が適しているのでしょう。
ここで多く栽培されている、他の作物はブドウにアーモンド。
ハーブは自生しているものが多いのですが、いわゆる
「南のハーブ」といわれる、シソ科植物。
ラベンダー、ローズマリー、バジル、タイム、セージ、サリエッタなど。
これらの特徴は、いずれも地表の細根が少なく主根が深く伸びること。
と、ここまできて、一つ。。
この畑の表面を覆う大きめの小石は、陽射しを遮り、風通しをよくする
大きめのウッドマルチで代用できまいか?
二番目の水の通りをよくする土は、パーライトや汎用砂ではどうだろう?
いやいや・・・もうちょっと見てみましょう。。。。
ここまで、お読みいただき、まことにありがとうございます。
久しぶりに、ハーブ園芸らしい記事が続いています(笑)。
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